むし歯も歯周病も稀な疾患

歯科医療において、欧米では常識的なことでも日本では常識になっていないことがある。まさに PMTCの事例がそうだと言える。 PMTCが当たり前に行われているスウェーデンでは長く歯が残っている。実施されている「8020運動(ハチマル・ニイマル)」は、高齢で自分の歯の数を数本以上残そうという趣旨だが、定期管理予防に通わなければ、その実現は不可能である。「 8020運動」を実現するためには、歯科医がその場しのぎの治療をすればするほど利益になるという現在の診療報酬制度を変え、予防歯科への転換が図れる診療報酬体系に変更する必要がある。 地域や会社の定期健康診断には歯科検診を必ず含め、更に「検査」「診断」「経過観察」「 PMTC」などの予防管理を価値ある医療行為とし、歯を削ったり薬を出したりしなくても診療報酬が正当に認められるようにし、予防管理は保険で治療を受けられるように保険制度を変更すべきである。 予防の第一歩は幼少期に始まる。「1200運動」(イチニイゼロゼロ運動・・・十二 歳のときにむし歯ゼロ)を推進すれば結果として「8020」につながる。 そのためにも PMTCの一般化が必要であり、国民への正しい情報提供と歯科医 療制度改革が急務となる。そうすれば、 PMTCの効果をきちんと説明し、患者のために正しく歯のクリーニングを実施でさることになる。 定期的に PMTCを行うことでむし歯は減り、 口腔内環境は衛生的に管理され、歯周病にもなりにくくなる。その方が結果として、医療費も少なくて済み、国民も国も助かる。「むし歯も歯周病も本来はまれな疾患である」とは、世界的に有名な歯科医の言葉だが、その真意も納得できる。