よく咬める歯がもたらす生活の向上

矯正歯科治療で咬み合わせ全体を治すには、歯を支えるあごの歯が健康な四十歳以前に行う。方がよいと、常識的にいわれています。ただし一本から数本だけを動かしてなおす「部分的な矯正」であれば、何歳であっても可能です。矯正歯科治療によって得られた、しっかり咬んでおいしく食事ができる歯は、高齢になったときに、健康を含めた生活全般の質の向上につながります。最近では、六十歳代でも、健康志向型の生活を目指して矯正歯科治療にに取り組む方が、数多くいます。例えばAさんは、来院した際、受け口で、歯並びがデコボコし、上の歯が三本抜けていました。歯にブリッジを入れることになったのですが、受け口とデコボコの歯が義歯を挟み込む形になってしまい、セラミックの歯を入れても長持ちしないと思われました。また、Aさん自身も昔から受け口が気になっていたために、この機会に咬み合わせと歯並びをきちんと矯正することになりました。まず一般歯科医で仮のブリッジを入れてもらい、一本歯を抜いてから、矯正歯科治療で受け口とデコボコを治し、一年半ほどで治療が終了しました。Aさんは介護のボランテイアをしているのですが、周囲から「新しい入れ歯を作って若返ったみたい」評判がよく、Aさん自身も良い咬み合わせときれいな歯並びで、生活全般にハリがでたそうです。また、同じく六十歳代の女性で、前歯がデコボコしていることと目立つ金歯があることを気にして来院した方は、かぶっていた金冠を外してみたら、驚いた事に中に本来の歯がきちんと残っており、その歯を使って歯をきれいに並べることができました。いずれも歯を動かしたことで歯肉や歯を支えるほねがダメージを受けることもなく、矯正歯科治療に格別の年齢的なハンデはない事を学びました。